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04コトリ会議


撮影:山口真由子

03KING & HEAVY

05壱劇屋

劇評

  • 筒井潤コトリ会議 『セミの空の空』
    とても面白く鑑賞した。私たちと関係があるような、それでいて必要なのかどうかはわからない幾つかのエピソードが散りばめられ、それらが接続したり離れたりして、最後に母胎回帰(※)という小劇場演劇の典型、そして劇作、演技、スタッフワークの確かな技術力により、ずっと楽しく観ていられるのだ・・・

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  • 溝田幸弘『あたたかな暗闇』
    思えば、舞台設計から手が込んでいた。 長方形のKAVCホールから通常の座席を取っ払い、全スペースの4分の1~3分の1くらいを観客席に、その残り、つまりホールの半分以上を上演に使っていた。普段よりも縦に圧縮された客席は急勾配のひな壇状に・・・

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  • 吉村雄太「有限と無限の狭間で他者に設定するということ:コトリ会議批評」
    コトリ会議『セミの空の空』の舞台は近未来、人間が人工の月を建築し二つの月がある世界だ。人間が作った二つ目の月は夜を無くし、疲れを失わせ、永遠に隣にいる誰かの顔を凝視することを可能にした。そして二つ目の月によって人間は、隣人の毛細血管やその奥のDNAらせん構造、そしてその顔を突き抜けて死んだはず人間の・・・

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  • ウォーリー木下コトリ会議「セミの空の空」評
    暗闇の中で、生きているのか死んでいるのかわからない人たちが、それこそゾンビのように彷徨っている。ことり会議の作品は僕が見た限りだと、だいたい彷徨っている人たちが出てくる。道に迷ったり、なにかを探していたり、誰かを見失ったり、もしくは目的もなくどこかへ向かう。今回はその要素に加えて・・・

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公演概要

コトリ会議 演劇ツアー公演3回め
『セミの空の空』

夏の日、息子がすがりついて、
「お父さん、コトリ会議の次回公演には宇宙人、出ないの?」
「出ないよ」
「僕宇宙人、出てほしいよう」
「タイトルをご覧。宇宙人、ひとかけらもないだろう」
「空の空だってカッコつけたって、どうせ宇宙のことなんだろう?」
「どうせ、どうせ宇宙なんだろう?」
「どうせ宇宙さ、そうだろう?」
「どうせ宇宙なんだろう?」
「どうせ宇宙なんだろう?」
「どうせ、どうせ」
「宇宙なんだろう?」


いっとき、公共広告機構のCMで流れていたものです。スクランブル交差点をたくさんの人が行き交う中で、背広を着た大人同士が肩をぶつける、片方の大人は足を止めて、ムッとした表情で振り向くんです。すると、肩をぶつけたもう片方の大人も足を止めていて、こちらに向かって「ごめんね」とジェスチャーする。そうなるとムッとしていた大人も表情を崩して会釈する、えぃしーー、というやつなんですが、皆さんご存知ですか?僕もうテレビはあれだけを流してくださればそれだけでいいんでなかろかというくらい感動したCMなんです。なんでずっと流さないんだろう。テレビがやってくれないなら演劇でやれるかな。交差点で大人達は肩をぶつける、謝る、それぞれの生活へ、またぶつける、謝る、それぞれの生活へ、2時間弱繰り返す。え、すごく面白い演劇なんだけどいや違うくて、他人を、1人の誇りを持った人間として見ているのか私はあなたは、スクランブル交差点で、満員電車で、ということなんだけどな。「人」という漢字は支え合って出来ている、というのは分かってるんです、じゃあ人は人のどの部分を使って他人と支え合うのかな。分かんないよね。分かんない時は演劇を使おう。えぃしーー
(作品について コトリ会議・山本正典より)

  • 日時
    2019年11月15日(金)~18日(月)
  • 11月15日(金)15:30☆’/19:30☆”
    11月16日(土)11:30/19:30★
    11月17日(日)11:30/15:30
    11月18日(月)15:30
    ※開演の45分前受付開始、30分前開場
    ※未就学児童の入場は不可

    【アフタートーク開催!】
    ☆’ 15日(金)15:30終演後
    『KAVC FLAG COMPANY 中間トーク』
    登壇者:福谷圭祐(匿名劇壇)
        飯嶋松之助(KING&HEAVY)
        若旦那家康(コトリ会議)
        大熊隆太郎(壱劇屋)
        ピンク地底人3号(ももちの世界)
        FOペレイラ宏一朗(プロトテアトル)
    ▷記者会見時の各カンパニー登壇者をお招きして、今年初めて開催されたKAVC FLAG COMPANYのこれまでと今後の展開を元に、関西の演劇のことを少しでも掘り下げれればと思います。
    ※THE ROB CARLTONのボブ・マーサム氏は現在スケジュールを調整していただいております。正式に決定した際は改めて告知いたします。

    ☆” 15日(金)19:30終演後
    『マクロとミクロの宣伝美術デザイントーク』
    登壇者:山口良太(slowcamp)
        小泉しゅん(Awesome Balance)
        三村るな(コトリ会議)
    ▷KAVC FLAG COMPANYはじめ企画全体のデザインをする山口氏と、コトリ会議のチラシデザインを手がける小泉氏を迎えて、劇団内のデザインを担当する三村がお話を聞きます。

    ★ 16日(土)19:30終演後
    『KAVC企画 アフタートーク』
    登壇者:柴幸男(ままごと)
        ウォーリー木下(sunday / KAVC舞台芸術プログラム・ディレクター)
        山本正典(コトリ会議)
    柴幸男によるワークショップも同日開催!詳細はこちら
  • 会場
    神戸アートビレッジセンター KAVCホール
  • 作・演出
    山本正典
  • 出演
    牛嶋千佳
    三村るな
    まえかつと
    野村有志(オパンポン創造社)
    中村彩乃(安住の地/劇団飛び道具)
    浜本克弥(小骨座)
  • チケット
    料金
    一般前売2,700円
    22歳以下2,000円
    高校生以下1,000円
    近畿2府5県以外割★700円
    当日券3000円
    ※22歳以下、高校生以下、近畿2府5県以外割は証明するものをご呈示ください。
    ★大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・三重県・滋賀県・和歌山県の2府5県にお住まいではないお客様
  • チケット
    発売日
    2019年9月14日(土)10:00より
  • スタッフ
    舞台監督/柴田頼克(かすがい創造庫)
    音響/佐藤武紀
    照明/石田光羽
    演出助手/要小飴
    舞台美術/竹腰かなこ
    小道具/伊達江李華(小骨座)
    衣装/松崎雛乃
    宣伝美術/小泉しゅん(Awesome Balance)
    イラスト/牛嶋千佳
    制作/若旦那家康

サイエンスフィクション的な日常世界が
“コトリ”と密やかにおびやかされていく。

劇団名の「コトリ」は、小さな鳥ではなく、何かが落ちたり動いたりした時のオノマトペだ。でもこのコトリは、非常に的確に名は体を表わしている。ドシン! というほど激しくはないけれど、ポトン……よりは妙に心をザワつかせるのだ。SF的かつ詩情あふれる劇世界の中で、登場人物たちはのんきに日常を謳歌しているけど、そこにコトリと侵入してくる何かが静かに、でも確実に世界を狂わせていく。それは同時に、この世界と合わせ鏡となる私たちの現実社会への、ある種の警鐘を鳴らすのだ。カーンでもゴーンでもない“コトリ”という音の。
text by 吉永 美和子

団体からのコメント
劇団員の半分は兵庫県民なので参加できることを喜んでいます。
「音で楽しむ演劇」「耳を澄まして観る作品」と評されることが多く、2019年2月に行った初めての福岡公演での現代劇でも同様に評価していただけたので、それを踏まえて、自信を持って人と人がつくり出す機微を描いていこうと思います。そして神戸を皮切りに東京公演と、1~2都市のツアーを予定していますので、神戸から始まる作品を全国に伝えていきます。

コトリ会議について
2007年結成。SFやサスペンスなど寓話的な設定を用いることで、現代社会における弱者の問題を隠しつつ滲み出る戯曲と、笑えて軽妙で詩情のあるセリフによって、音に集中させる、テンポとボリュームを操る演出を得意とする。シアトリカル應典院演劇祭「space×drama2010」優秀劇団を受賞。2016年に地方3劇団協働でおこなった「対ゲキツアー」以降、ツアー公演を主にした本公演、イベント的な小規模公演、演劇祭に参加する際の神出鬼没な小作品など規模によって変幻自在な活動をしている。作家・山本正典の受賞歴として、2018年に第9回せんがわ劇場演劇コンクール劇作家賞、第25回OMS戯曲賞佳作を受賞。

http://kotorikaigi.com

チケット

9月14日(土)10:00より、リンクが有効になります

KAVC FLAG COMPANY 2019-2020