ART LEAP 2019
神戸アートビレッジセンター(以下、KAVC)では、2018年より30代から40代の芸術家を対象とした公募プログラム「ART LEAP」を実施しています。
「ART LEAP」は、新たな表現の創造と意欲的な挑戦の舞台とし、経験を積んだ作家にとってステップアップの機会とすることを目指しています。また「ART LEAP」は、作家とKAVCスタッフが密に連携しながら展覧会を創り上げていくことが特徴です。
ここでは、2020年2月の展覧会までの制作過程をレポートで記録していきます。
開催2回目となる「ART LEAP 2019」は、5月19日に開催した「展覧会プラン公開プレゼンテーション」による最終選考の結果、潘逸舟(はん いしゅ)が出展作家に決定しました。
展覧会の開催は2020年2月。7月からは、潘さんとKAVCスタッフの制作ミーティングが始まり、展覧会に向けての準備がスタートしています。
ミーティングは、潘さんの活動拠点である東京と、KAVCのある神戸を、Skypeで繋いでいます。
8月25日、7月に実施した第1回目のミーティングに続き、展覧会に向けた全体スケジュールの進行状況や展示プランについて話し合いました。
潘さんは、自身の身体や日用品を素材として、映像やインスタレーションを中心に、写真、絵画など様々なメディアを用いて作品制作を行っています。そこには一貫して、「社会」や「国家」といった巨大なものと、それらを構築する「個人」の身体やアイデンティティとの間に生じる矛盾への疑問があります。
こうしたテーマから派生する形で、KAVCの所在する神戸における外国人移住者や、外国人労働者を主題にした新作を今回の「ART LEAP 2019」で発表することが先のプレゼンテーションで潘さんから提示されています。
今回のミーティングでは、9月中旬の神戸滞在に向けて、潘さんが新作発表に向けて関心のあるテーマについてディスカッションしたほか、神戸で生活する外国人移住者や、外国人労働者をリサーチすべく、取材先の候補やその方法についても具体的に話し合いました。
9月中旬からスタートした潘さんの神戸滞在は、7日間。
神戸でのリサーチの内容は、次のレポートに続きます!
(文・写真 美術アシスタント 中川)