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07プロトテアトル


撮影:アラキハルカ(MockMops)

06ももちの世界

01匿名劇壇

劇評

  • 溝田幸弘光のありか
    クライマックス。物語が動いた、と思った瞬間、舞台が暗転した。「どうなるのだろう」と固唾をのんでいると、明転した舞台に役者たちが一列に並んでいた。「あ、終わりか…」。肩の力を抜きながら、今自分が何を体験したのか、とめどもなく考えてしまった・・・

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  • 高嶋慈脱中心的な構造のなかで、「ドラマの生成に向かう時間」を見続ける
    架空の田舎町で日常生活を営む人々をリアルベースの会話劇で描く群像劇だが、本作の最大の特徴かつ企図は、舞台空間の構造にある。壇上の舞台もひな壇の客席も取り払われたフラットな空間を、四方からぐるりと客席の椅子が取り囲む・・・

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  • 中村徳仁黄昏の喪失に抗する――プロトテアトル『X X』に寄せて
     『X X』は、近畿大発の劇団「プロトテアトル」による第九回本公演で、チラシなど でも謳われているように、「プロトテアトル史上最大人数」の十四人で行われる架空の町を舞台にした群像劇である。まず印象的だったのは、客席の配置だった・・・

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公演概要

プロトテアトル 第九回本公演

『Ⅹ Ⅹ』

「あなたが光である限り、私は闇である。」
プロトテアトル史上最大人数で描く本作は、光と闇が交錯する、架空の街を舞台に繰り広げられる追憶の劇。
山を隔てた隣町では、近く大きなお祭りが行われるらしい。そのためこの街では人が少くなってきている。
青年は、どこにでもいるようなごく普通の人間だった。 恋をしたり、幸せを夢見たり、希望を持っていた。 街の中で起きたある事件をきっかけに、青年は変わっていく。
彼から延びた影は、ただただ光へと向かい突っ走る。

  • 日時
    2020年2月14日(金)~16日(日)
  • 2月14日(金)19:00★
    2月15日(土)13:00/18:00☆1
    2月16日(日)13:00/17:00☆2

    ※開演の45分前受付開始、30分前開場
    ※全席自由席
    ※未就学児童入場不可

    ★・・・初日割あり
    ☆1・・・アフタートークあり
    登壇者:中屋敷法仁(柿喰う客)、ウォーリー木下、FOペレイラ宏一朗
    ☆2・・・アフタートークあり
    ゲスト:大谷燠(神戸アートビレッジセンター館長/DANCE BOX代表)
  • 会場
    神戸アートビレッジセンター KAVCホール
  • 作・演出
    FOペレイラ宏一朗
  • 出演
    小島翔太
    豊島祐貴|以上プロトテアトル
    宇垣サグ(聖なる犬殺し)
    大形駿也(ハコボレ)
    岡田望
    ガトータケヒロ(シイナナ)
    香川由依
    たろう(PROJECTおふざけチャン。)
    鶴隹(演劇研究会はちの巣座)
    友井田亮
    ナカメキョウコ(エイチエムピー・シアターカンパニー)
    浜田渉
    片彩眞璃(シバイシマイ)
    吉田凪詐(聖なる犬殺し)
    ※順不同、敬称略
  • チケット
    料金
    一般:前売 2,800円 当日 3,000円
    学生:前売 2,000円 当日 2,500円
    高校生以下:1,000円(前売/当日共)

    ★初日割(14日(金) 19時の回のみ)
    一般:前売 2,300円 当日 2,500円
    学生:前売 1,800円 当日 2,000円
    高校生以下 500円(前売/当日共)

    ※学生、高校生以下は要証明証
  • チケット
    発売日
    2019年12月9日(月)22:00より
  • スタッフ
    演出助手/有川水紀(プロトテアトル)、皆都いづみ(シイナナ)
    ドラマトゥルク/吳光倩
    舞台監督/西野真梨子
    美術/松本謙一郎
    音響/廣岡美佑
    照明/幸野英哲(PAC west inc.)
    広報/(同)尾崎商店
    当日運営/若旦那家康(コトリ会議)
    宣伝美術/Mock Mop's
    制作/プロトテアトル

過去の記憶は、私たちの今と未来を映し出す。
辛口のノスタルジーを“借景”に描く世界。

現代社会や未来に抱く気持ちは、その人の年齢や現状によって千差万別だ。しかし過去を「懐かしい」と感じる気持ちは、老人も若者も、女性も男性もあまり大差がないように思える。プロトテアトルは、その“万人に共通する気持ち”を、意図的に演劇に生かそうとしている集団だ。とはいえ決して甘い思い出を噛みしめ合うのではなく、むしろ記憶のすれ違いや隠しごとからシビアな事実を呼び起こし、それをいかに現代と未来につなげるか? を問いかける。若さに似合わぬビター&ドライなノスタルジーが、今後いかに熟成していくかに期待したい。
text by 吉永 美和子

団体からのコメント
2014年に上演した「アサ村ショウ一郎」という作品を大幅にリメイクして挑みます。「他者によって語られる個人」というものにスポットを当て、架空の町を舞台に、曖昧な記憶、認識のズレや、捉えられない人物像から生まれる悲劇を描きます。プロトテアトルとしては最大人数、最大規模での作品になります。

プロトテアトルについて
「protothéâtre=試作劇場(あるいは試作演劇)」 2013年6月、主宰FOペレイラ宏一朗を中心に近畿大学に通う同級生で旗揚げ。 扱う作品に決まった形はないが、人生において普遍的であり、誰しもが共感できる出来事を扱うことが多い。静かでリアルな会話を主とし、観客の過去の思い出や経験を呼び起こす。「借景」に似た作り方をしている。 短編演劇祭「フェスティバル」など、本公演だけでなく独自の企画や、夜間定時制高校を舞台にした作品で学校公演なども行っている。2015年2月、第四回本公演「ノクターン」がウイングカップ5最優秀賞を受賞。

http://www.prototheatre.com/

※プロフィール写真クレジット 撮影:河西沙織(壱劇屋)

チケット

※12月9日(月)以降リンクが有効になります