01匿名劇壇
撮影:堀川高志(kutowans studio)
「大暴力」
優しい人になりたいと願った。それを口にも出してみた。「そんなふうに願って、それを言葉にした君は、もうすでに優しい人だと思うよ」と、彼女は僕の頭を撫でた。
この物語は、その手を振り払って何度か彼女を打擲したときに、転んでぶつかって砕け散った、窓ガラスの破片みたいなものである。いくつかは、僕や彼女の身体を刺して傷つけた。
だけど遠くから見てみると、キラキラ光って綺麗だから。
観客席には飛ばないように。慎重に、繰り返す。
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「フィクション」と割り切った世界の中で
笑いと痛みのボーダーを全員攻撃で攻める。
とにかく秀逸なのは言葉のセンス。そして劇団員全員が大学時代からの付き合いだからこその、良い意味での内輪感覚だ。今ドキの若者言葉を活かした、鋭くもユーモアのある台詞を巧みにパスしつつ「でもこれって結局、フィクションだから」という冷めた目線もキチンと共有。そして笑いと痛みのギリギリの線に向けて、団員総出でひたむきに打ち込んでくる姿に、グッと来てしまうのだ。しばらくは長編を封印し、言葉の面白さに特化した超短編オムニバスに挑戦するという。思い切った冒険も、この劇団員たちが一丸となれば、恐れるものはない。
text by 吉永 美和子
※プロフィール写真クレジット 撮影:堀川高志(kutowans studio)
劇評
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ここまで創り上げるのにどのくらい稽古したんだろう、など思ったりもするが、旗揚げから9年目ということなので、実質8年かけて稽古して・・・
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