3ヶ月に1回、季刊で発行している広報誌「ART VILLAGE VOICE」。7月上旬に発行したVol.93は、誌面制作期間が新型コロナウィルス感染拡大に伴う自粛期間と重なったため、特別編として制作し、これまでKAVCで開催してきたワークショップシリーズの番外編として、自宅でできるワークショップを紹介しました。
Web版はこちら https://s-ah.jp/archives/5050/
今回は、KAVCスタッフ・平川が、美術家の菊池和晃さん発案のワークショップ「ものと身体の「連動」をドローイングしてみよう!」を実際にやってみました!その制作過程のレポートをお届けします。
ものと身体の「連動」をドローイングしてみよう!
《KAVCスタッフ平川の場合》
こんにちは。スタッフの平川です。
「ものと身体の「連動」をドローイングしてみよう!」を実際に体験してみました。
こういった作品作りの体験は初めてなので、どんな物が出来上がるか少し緊張….
まずは身近な道具や、建物の構造物を探します。私は、身近な所で挑戦!と思い、いつも自分が仕事している足元の事務所のデスクの引き出しでチャレンジ!
最初は未知の体験へのワクワクがあり、自分自身、引き出しを動かすスピードや力加減の変化させたり、身体と連動を意識して楽しめていたのですが…
それが何分か経ってくると、「連動」への意識より「私は一体何をしているんだろう…」という気持ちが強くなっていきました。
そこからは、まさしく「無心」。
自分自身との対話、まるで修行のような体験でした。周りからみたら凄くシュールな光景だったと思います。
ですが、ひたすら「無心」で引き出しを動かし続けて完成した作品は、自分でいうのも恥ずかしいですがとても洗練されて芯の強い綺麗なものに見えて、とてもいい作品になったと思います。
実際に体験してまず思ったのが、「菊地さんストイックすぎる。凄い!」でした。
完成が見えない作業を数分でもずっと続けることに「もういいだろう」という「諦め」や「飽き」を感じてしまったので、何百何千回繰り返している菊池さんは本当に凄いと思いました。
それから「自分の気持ち」と「作品の出来」のギャップを凄く感じました。
実際に動かしているときの気持ちは「私は一体何をしているんだろう」だったのですが、出来上がった作品がとても洗練されたものに見えて、そのギャップに感動しました。
作品に限らず、仕事でも、なんでも、ずっと続けているとふと訪れる「一体何をやっているんだろう」という瞬間。
この瞬間が訪れてもひたすらに続けるからこそ、結果がでるのかもしれないですね。
いわば「自分自身との対話」のような時間を体験して、引き出しを動かし続ける中で、線の濃さや形を作る時の自分の「身体の動き」と「頭の中の動き」の違いであったり、もっと楽しんで身体の動きを考えて動かさなきゃと思う気持ちと「何をやっているんだろう」と思ってしまう気持ちの違いや、心の動きを感じ、自分自身と向き合うのは難しいことなんだと勉強になりました。
みなさんもぜひ体験してみてください!