美術界のスター作家の作品を、生産するための「マシン」を考えよう!
アートのはじまりの見方を提案し、はじまりを味方する講座シリーズ「はじまりのみかた」。
第7弾では、アーティストがどのようなことを出発点に作品を生み出しているのか、その着眼点と制作方法にせまります。今回の講師は、マシン(装置)と身体を連動させることによって作品を制作する美術家の菊池和晃さんです。
菊池さんの作品は、刷毛を取付けたマシンを身体に装着し、100回スクワットをする毎に1枚の絵画を完成させる《Muscle》や、6250回ハンドルを回し続けて1つの円を描き出す《円を描く》など、一見すると苦行のようにも思える制作プロセスが特徴的です。
ワークショップでは、アンディー・ウォーホルやジャクソン・ポロックなど、美術界でスターとされる先人たちの作品を参照し、彼らの作品を生産するためのマシンを考えます。
作家研究からマシンの設計図の作成、制作まで、道具の連動性について考察する菊池さんの制作方法を追体験しながら、作品の多様な「はじまり」を体感してみましょう。
《参照予定作家一覧》
アンディ・ウォーホル、コンスタンティン・ブランクーシ、白髪一雄、ジャクソン・ポロック、
マーク・ロスコ、吉原治良、ルーチョ・フォンタナ、ロダン
「はじまりのみかた」とは
文化活動の入口となる様々な事柄に着目し、「体感する」「思考する」「探求する」「創造する」をキーワードに、幅広いジャンルを横断しながら内容を構成した企画です。シリーズを通した受講によって、参加者が文化芸術に親しみ、また自身の生活の中に文化的な視野を育むきっかけとなるような講座を目指します。
開催概要
スター作家の作品を生産するマシンを考える
開催日:2020年7月24日(金・祝)
時間:13:00-16:00
会場:神戸アートビレッジセンター4F・リハーサル室2
講師:菊池和晃(美術家)
対象:中学生以上
料金:一般1,000円、かぶっクラブ会員800円
定員:8名
持ち物:動きやすくて汚れても良い服装
※作家研究用にノートパソコンやタブレット端末などの持ち込みが可能です。
※会場は土足厳禁です。足元が冷えますので、靴下の着用をおすすめします。
講師プロフィール
菊池和晃(きくち かずあき)/ 美術家
1993年 京都市生まれ。
2016年 成安造形大学美術領域現代アートコース卒業
2018年 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻構想設計クラス修了
関西を中心に活動。
身体と機械、個人と社会、アーティストと美術などそれぞれの関係性や連動性をテーマに美術史から引用したイメージを生産するマシンを制作する。また制作したマシンを使用しパフォーマンスなども発表している。
菊池が制作するマシンはどれも不毛とも思える行為や無駄なシステムを有している。例えば《円を描くシリーズ》では一つの円を描くのに6250回マシンのハンドルを回さなければならない。菊池にとってそれは単純な面白味であると同時に一種の抵抗である。