かつてイエズスは最後の晩餐の時にパンと葡萄酒を振舞い「これが私の肉と血」と言ったらしい。よく知らないけど。聞いている?何が気になってるの?
ああ。地響きがする。雷とよく似ているけれど、こうやって近くのテーブルや椅子、何かしらの家具を触ればわかる。これは雷じゃない。
見て、電気の紐が揺れている。これは雷じゃない。こうやっていつも、私たちの大事な話は遮られる。彼らが来る。地響きは合図。
まあいい。お話はこれが去ったらまたしましょう。生きて朝を迎えられたら
食卓を共に囲みましょう。
―「彼ら」に怯えながらも私たちの生活は続く。彼らよりイエズスより、私は仕留め損ねたこの部屋の蚊をどうするか、ずっと考えている―
KAVC FLAG COMPANY 2020-2021 特設サイト|公演詳細はこちら甘さと辛さのギャップにハマりそうな神戸っ子トリオ。
演劇と並行して、YouTuberとしても活躍中という、今風の活動を繰り広げているAhwooo(あうー)。
ネイティブな関西弁のトークにホッコリする、YouTubeの番組を見てから彼女らの舞台に触れると、そのギャップの大きさにビックリするだろう。
心に刺さった小さなトゲを、ゆっくりと引き抜いていくかのような世界は、観ている側の胸もチクチク刺すと同時に、フワッとしたぬくもりで包みこむような瞬間もある。活動スタイルも劇世界も、甘さと辛さを自在に使い分ける二面性。ギャップ萌えする人が続出しそうな、ナチュラルボーン神戸ユニットの期待の星だ。text by 吉永 美和子
開催概要
Ahwooo「パンと日本酒」
会場:神戸アートビレッジセンター KAVCホール
作・演出:中野そてっつ(Ahwooo/ソテツトンネル)
出演:如月萌(【ハッカ】/Ahwooo)、牧野亜希子(Ahwooo)
日時:2020年
11月13日(金)19:30
11月14日(土)12:00☆/17:00
11月15日(日)11:00/16:00
※開演の45分前受付開始、30分前開場
※全席自由席
※未就学児の入場不可
☆アフタートークあり:
ゲスト 矢内原美邦(ダンスカンパニー・ニブロール主宰)
関連ワークショップも同日開催!
詳細はこちら https://s-ah.jp/archives/5226/
チケット料金:一般 3500円、U-20 1000円
※要予約制
※U-20をご予約の方は年齢を確認できる証明書のご提示をお願い致します。
【スタッフ】
舞台監督:米野直樹(米野組)
音響:前田マサヒロ
照明:阪上英里子
舞台美術:乘峯香苗
保健衛生:小泉うめ
フライヤーデザイン:adinfinitum-design
舞台写真撮影:阿萬芽衣
ロゴデザイン:カセテツヤ
企画・制作:Ahwooo
共催:神戸アートビレッジセンター(指定管理者:公益財団法人 神戸市民文化振興財団)
プロフィール
Ahwooo
2017年6月旗揚げ。牧野亜希子、如月萌、中野そてっつの俳優二人、作演出一人による演劇ユニット。
神戸市高校演劇祭「犬王」(脚本・演出角ひろみ)にて出会った3人が30歳を超えてから再集結し結成された。旗揚げから毎公演必ず関西と東京で公演を行い「いつか三人が出会ったKAVCホールで公演を」という目標を掲げていたがこの度叶う。
近年は舞台だけでなくラジオパーソナリティー、YouTube配信や短編配信ドラマ出演等精力的に活動中。https://ahwooo-hp.jimdofree.com/
団体からのコメント
「あなたの心を支配するものと、私の心を支配するものが同じって気持ち悪くないですか?」という台詞をどこかに入れようかな、この『パンと日本酒』という作品の中で、と思うくらいの勢いなんですが、皆さんいま同じものについて考えていますよね。
私もです。気持ち悪くないですか?その前ってどうしてました?何に悩んでました?私は労働の契約時間変えようかなとか、脱毛通いたいないくらかなとか、この夏クーラーを買うかどうかとか(買ったわ。給付金で)まあまあどうでもいい悩みに支配されていたんですよね。
それが絶対神かよってくらい今、2020年8月現在、人々は同じものを見て、同じものに恐怖して、同じものに対して祈って、なに心をひとつにしてくれてんねん、という気持ちでいっぱいです。せめて舞台上だけはそれらを介入させたくない。違う思想を持った二人を、意見の合わない二人を、心を通わせない二人の演劇を作ろうと思います。この二人をどうするか。怪獣とでも闘わせようかなと思ってます。心、通わないままに。