01Ahwooo
撮影:阿萬芽衣
「パンと日本酒」
かつてイエズスは最後の晩餐の時にパンと葡萄酒を振舞い「これが私の肉と血」と言ったらしい。よく知らないけど。聞いている?何が気になってるの?
ああ。地響きがする。雷とよく似ているけれど、こうやって近くのテーブルや椅子、何かしらの家具を触ればわかる。これは雷じゃない。
見て、電気の紐が揺れている。これは雷じゃない。こうやっていつも、私たちの大事な話は遮られる。彼らが来る。地響きは合図。
まあいい。お話はこれが去ったらまたしましょう。生きて朝を迎えられたら
食卓を共に囲みましょう。
―「彼ら」に怯えながらも私たちの生活は続く。彼らよりイエズスより、私は仕留め損ねたこの部屋の蚊をどうするか、ずっと考えている―
☆アフタートークあり:
ゲスト 矢内原美邦(ダンスカンパニー・ニブロール主宰)
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甘さと辛さのギャップにハマりそうな神戸っ子トリオ。
演劇と並行して、YouTuberとしても活躍中という、今風の活動を繰り広げているAhwooo(あうー)。
ネイティブな関西弁のトークにホッコリする、YouTubeの番組を見てから彼女らの舞台に触れると、そのギャップの大きさにビックリするだろう。
心に刺さった小さなトゲを、ゆっくりと引き抜いていくかのような世界は、観ている側の胸もチクチク刺すと同時に、フワッとしたぬくもりで包みこむような瞬間もある。活動スタイルも劇世界も、甘さと辛さを自在に使い分ける二面性。ギャップ萌えする人が続出しそうな、ナチュラルボーン神戸ユニットの期待の星だ。
text by 吉永 美和子