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ニューあそび場の創造2023年12月「ダンスを渡す~長与江里奈の場合~」

「出会ったが吉日ワークショップ」に参加しました!

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  • 2024.3.1
  • Text: 新開地アートひろば スタッフY スタッフI

「ダンスを渡す~長与江里奈の場合~」にて開催されたダンスワークショップ体験レポート

新開地アートひろばでは、2023年4月より、施設全体を『あそび場』として捉え、毎月多彩なジャンルのアーティストと協働して、「あそべる作品」や「あそべる空間」を創造する、年間シリーズ企画「ニューあそび場の創造」を開催しています。
12月の「ニューあそび場の創造」では、「ダンスを渡す~長与江里奈の場合~」と題し、演出家・ダンサーの長与江里奈さん(ぞっち)をお招きし、ほぼ毎日一階の1roomにてダンスワークショップを開催しました。
事前予約優先、料金無料、いつでもふらっと参加OKなダンスワークショップ「出会ったが吉日ワークショップ」では、はっちゃんの台所を利用しているお客さんや練習施設の利用者さん、自習をしに来た中高生から井戸端会議のおばあちゃんまで幅広い層の方に参加していただきました。
ダンスはやったことがないから無理という方から踊ることが大好きな方、健康体操くらいなら。偶然その日に新開地アートひろばに来館した様々なモチベーションの参加者と共に行われるあなただけのオーダーメイドダンスワークショップ。身体を動かすことで知る、様々な発見や知らなかった自分との出会い。
それは「あそび」に必要不可欠な、自身や他者に対するコミュニケーションとの出会いです。このワークショップに参加した新開地アートひろばのスタッフによるレポートを公開します。

新開地アートひろばスタッフY

2023年12月21日(木)

出会ったが吉日ワークショップに参加しました。

事務所横の1roomでほとんど毎日開催しており、気になってはいたものの恥ずかしさから参加ができず横目に見ているだけでした。

気がつけば21日の最終日となり、担当のかっぱちゃんに背中を押してもらい参加を決意しました。

※ワークショップ最終日は北園優さんのピアノ伴奏付きでした。

まずはストレッチを行い、デスクワークで硬くなった身体をほぐして温まってからのスタート。

「丸い感じ」「硬い感じ」「重たい感じ」とテーマに合わせて自分なりにピアノの音に合わせて身体を動かしました。

はじめは恥ずかしくて穴があったら入りたい気持ちでしたが、ぞっちさんをはじめとするワークショップ参加者の皆さんがとても楽しそうに踊っている姿を見ているとだんだんと楽しくなってきました。

次に「びわの木になる」「びわを採りたい人」の動きを2人1組で踊りました。

自分の想像で踊るのではなく、相手の動きを見ながら音に合わせて踊るのはとても難しかったですが、ペアの方のアシストによって踊ることができました。

初対面の人と話すことよりさらにハードルが高い、初対面の人と踊ることが私にもできたなんてと、自分自身びっくりしました。

私は、物心ついたころから中学1年生までクラシックバレエを習っており、いろんな人の心を動かせるバレリーナになることが夢でした。

バレエを辞めて13年が経ち、忘れていた身体を動かすことの楽しさ・高揚感を感じることができました。

ダンスを身近に感じることのできる今回の企画はぞっちさんからのクリスマスプレゼントだったのだと感じました。

新開地アートひろばスタッフI 

コンタクト・インプロヴィゼーション(Contact Improvisation)。

この言葉を知ったのは、5年ほど前になるが、コンテンポラリーダンスを観るとこの言葉をよく思い出す。コンタクト・インプロヴィゼーションってこれかな?と。これを書いているのは、全ての吉日ワークショップが終わった後に行われたダンス公演の後だが、この公演でも同じ考えが頭の中にあった。コンタクト・インプロヴィゼーションってこれなのかな?と。

ところで、今思い返すと、吉日ワークショップで私自身も同じ動きを体験していた。指で宙をなぞることから始まり、腕で、肩で、気づけば身体を回転させて全身を動かしていた。なるほど、こうやって身体を動かすことを教えてくれるのかと、身体表現が苦手な私は全く恐れ入ったという気持ちで、身体を空間に預けていた。

しかし、コンタクト・インプロヴィゼーションは、相手との関係性を重視するコミュニケーションの一手法である。ワークショップでは、これが相手の動きを真似ることから始まり、次第にその空間を複数の参加者の動きで満たされていくように、構成されていた。一つの小さなきっかけが、空間を満たす人の動きに変わっていく。ダンスのダイナミズムを感じる瞬間だった。

『ダンスを渡す~私たちの場合~』という公演に関連したこのワークショップは、普段はテラス席のような場所で、ダンサーが踊り続ける非日常的な空間を生み出した。これがいつしか小学生が自然と足を運ぶ空間になっていたことに、ダンサーがもつ特別な力を感じた期間だった。ただ、私にとっては、コンタクト・インプロヴィゼーションって何だろう?気になっていたこの問いを、再燃させてくれたワークショップだったように感じる。