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ニューあそび場の創造 2023年9月「新開地解開新所」

新開地の「純喫茶と路地裏」に潜入してみた。

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  • 2023.9.29
  • Text: 岸本紗和(アシスタント)

スタッフによる、「新開地解開新所」まちあるきツアーレポート

新開地アートひろばでは、2023年4月より、施設全体を『あそび場』として捉え、毎月多彩なジャンルのアーティストと協働して、「あそべる作品」や「あそべる空間」を創造する、年間シリーズ企画「ニューあそび場の創造」開催しています。

9月の「ニューあそび場の創造」では、「新開地解開新所」と題して、新開地をリサーチするプロジェクトを始動させました。四半世紀以上、新開地の文化施設として在り続けたKAVCからリニューアルした、新開地アートひろばが、子どもから大人まで、あらゆる世代が交流する、開かれた「ひろば」になることを目指していく上で、新開地を改めてリサーチする機会を設け、まちの魅了を知り・伝えていけるプログラムを目指しています。

今回のプロジェクトで紐解いていくエリアは、新開地を語る上では欠かせない、北は菊水町から南は東川崎町までを占める「旧湊川」。まちを歩くことで見えてくる発見の数々、知らなかった事象、面白い小話は、好奇心と興味を刺激する「あそび」へと繋がっていきます。

「新開地解開新所」の中では、まちあるきの達人たちによる”まちあるきツアー”を開催しました。
このツアーに同行した、新開地アートひろばのスタッフによるレポートを公開します。

新開地の「純喫茶と路地裏」に潜入してみた。

ニューあそび場の創造2023年9月「新開地解開新所」の企画のひとつ「純喫茶と路地裏」。
今回の案内人は踵印製作所さん。めくるめく純喫茶の世界と路地裏歩きを楽しむ贅沢なひとときを過ごしました。

まずは、出発前に予定の確認と自己紹介を行ないました。 その後、踵印製作所さんが段ボールで作られた、アクリルスタンドならぬ段ボールスタンド、通称・‛‛ダンスタ’’を1人につき1体連れ、かかとじるしの旗を目印にまちにくりだします。

新開地アートひろばから西側に向かい、Cinema KOBEの前を通って先ず向かったのは、喫茶トミ。胃の弱い方にもおすすめの、イタリアンコーヒの成分が記されているメニューに良さを感じ、撮影される方が多かったような。

次に、神戸駅の西側、線路の北側の一帯「地獄谷」と呼ばれる場所へ足を運びました。もとは、日雇い労働者が行き来し、その方々のうち油断した者から身ぐるみを剥がされるような、少し恐ろしい場所だったので、「地獄谷」と呼ばれるようになったとか、そうじゃなかったとか。

その後も、まちあるきで新開地らしい様々な撮影スポットを発見。

お昼は、喫茶エデンで昼食を取りました。

喫茶エデンの外観は、殆ど木に覆われており、新参者には足を踏み入れづらい雰囲気。しかし、一度店内に入ってしまうと、居心地の良すぎる空間に魅せられてしまうはずです。

店内は船内をイメージしており、1つ1つのアイテムにこだわりを感じました。店主と奥様が店内を歩くたび、床の軋む心地よい音がなる空間。壁のレンガは約150年前のもの。真ん中に並ぶヤシの木は貸し鉢屋に依頼し、1か月に1度入れ替えることで、常に小さすぎず大きすぎないものを置かれているそうです。

今回は、ハーフミックスサンドセット(コーヒーor紅茶付き)をいただきました。開店当初、他店の2倍の値段で提供したという、5種の豆をブレンドした珈琲と、しっかりと焼かれた卵が挟んであるミックスサンドです。

ひと休みしたところで、まちあるき再開です。喜楽館のあるアーケードを通り、再び純喫茶探し。

路地裏を抜けて、有名な雑誌、Meets Regionalの表紙になった坂を発見。もともとは湊川の堤防だったそうで、その面影が今も残っています。

パルシネマ近くの入り口から、ミナエンタウンに。ミナエンタウンは、今から50年ほど前に建てられた、湊川公園西ビル地下1階から2階にあります。建物の通路は地下鉄や、神戸電鉄の湊川公園駅と直通していて、とても便利な場所です。

その後も、路地裏を通りつつ、純喫茶探し。

湊川公園から、階段・エスカレーターを降りて、湊川大食堂の前を通り、パークタウンへ。

パークタウンから、東山商店街へ。東山商店街は、地域の人たちの日常を支える商店街として、今もなお活気のある商店街のひとつです。

湊河湯の前も通りました。湊河湯は、創業74年の銭湯でしたが、一度休業し、廃業寸前でした。それを、「ゆとなみ社」が引き継ぎ、リニューアルオープンさせたそう。SNSを駆使した情報発信で、実は若い年齢層の方にも人気の銭湯です。その後、湊川公園駅に行き、良き路地裏を発見しながら、再び純喫茶巡り。

その後、自由行動で集合時間まで、各自好きな純喫茶でひと休み。
私は、喫茶フリージアでソーダフロートをいただきました。

最後は、新開地アートひろばに戻って、振り返り。1人1枚お気に入りの写真を印刷し、まちあるきで得た情報を共有しました。最初は、緊張しながら自己紹介をされていた参加者の皆さまも、ひろばに戻ってきた頃には打ち解けて、自分自身が良いと思った場所について楽しく話されていました。

 古き良き時代の面影を残す町、新開地。今回のまちあるき企画「純喫茶と路地裏」では、純喫茶巡りを楽しみながら、普段は通り過ぎてしまうような、フォトジェニックな路地裏を発見することができました。

ご協力、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!