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ニューあそび場の創造 2023年9月「新開地解開新所」

「まちと銭湯の話」そして「湊湯さんの銭湯掃除」

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  • 2024.3.25
  • Text: 新開地アートひろば 新開地解開新所 担当スタッフ

スタッフによる、「新開地解開新所」まちあるきツアーレポート

新開地アートひろばでは、2023年4月より、施設全体を『あそび場』として捉え、毎月多彩なジャンルのアーティストと協働して、「あそべる作品」や「あそべる空間」を創造する、年間シリーズ企画「ニューあそび場の創造」開催しています。

2023年9月の「ニューあそび場の創造」では、「新開地解開新所」と題して、新開地をリサーチするプロジェクトを始動させました。四半世紀以上、新開地の文化施設として在り続けたKAVCからリニューアルした、新開地アートひろばが、子どもから大人まで、あらゆる世代が交流する、開かれた「ひろば」になることを目指していく上で、新開地を改めてリサーチする機会を設け、まちの魅了を知り・伝えていけるプログラムを目指しています。

今回のプロジェクトで紐解いていくエリアは、新開地を語る上では欠かせない、北は菊水町から南は東川崎町までを占める「旧湊川」。まちを歩くことで見えてくる発見の数々、知らなかった事象、面白い小話は、好奇心と興味を刺激する「あそび」へと繋がっていきます。

「新開地解開新所」の中では、まちあるきの達人たちによる”まちあるきツアー”を開催しました。
このツアーに同行した、新開地アートひろばのスタッフによるレポートを公開します。

「まちと銭湯の話」そして「湊湯さんの銭湯掃除」

2023年9月23日(土)時刻は14時前。新開地解開新所、最後のまちあるきイベント「まちと銭湯の話」が始まろうとしていました。
3Fの会議室1は、たくさんの人であふれ、レクチャーの時間を和やかに待っています。
今回の講師は、松本康治さんと別所正章さん。

レクチャーの時間では、松本さんのルーツを写真で辿りながら、「県境なき目地団」や「島風呂隊」「扇湯」といった現在の活動の紹介などを詳しく聞くことができました。

銭湯は今、どんどんと廃業の危機に追い込まれています。店主の高齢化や後継者不足など様々な要因で銭湯は年々減少しているそうです。
松本さんは、少し前から、淡路島にある「扇湯」を続けていくための活動を行われているそうで、水風呂を導入したり、番台式から男女共用のロビー式にリニューアルしたりと扇湯存続に熱を入れているそうです。
※扇湯は現在臨時休業中。復活したら必ずいきます!

普段、何気なく通っている銭湯もいつの間にか無くなってしまうかもしれない。でも、無くなるにはあまりに惜しい貴重な地域財産です。
どうすれば憩いの場である銭湯を少しでも長く続けていただけるのだろうか、松本さんの話を聞きながら、参加者のみなさまも銭湯への熱い思いを馳せていました。

松本さんのレクチャーが終わると、別所さんによる湊川新開地付近にある銭湯・温泉や、飲食店のレクチャーへと続きます。
兵庫区に銭湯・温泉は8軒あり、ほとんどが新開地アートひろばから徒歩20分圏内という驚きの近さ!
※2023年当時は8軒ありましたが、東湯さんは2024年6月末で営業を終了、7軒となりました。
別所さんから繰り出されるグルメの話に、参加者のみなさまも食欲を刺激されている様子でした。

3時間に渡る湯が沸くほどの熱いレクチャーを受けた後は、実際にまちあるきをしました。
新開地アートひろばを出て、南へと下り、西出町にかつてあった「柳湯」の跡地へ。入口の扉の隙間から、建物の中をちらりと見て、銭湯・温泉が多数ある山側へと歩きます。

呉越同舟、様々な党のポスターが、所狭しと貼られている水木湯。最近、ゆとなみ社さんが継業された湊河湯さん。その他の銭湯・温泉は時間がなくて行けませんでしたが、本当にどこも徒歩圏内にあるので、新開地に来た際は、湯巡りをしてみるのもおすすめです!

湊河湯さんの前で、今回のまちあるきは解散となり、各々行きたい銭湯・温泉へと向かいます。
この日は仕事のため私は行けませんでしたが、後日、湊河湯さんのお湯にどっぷりと浸かってきました。湊河湯さんでは、新開地・湊川の地ビール「湊ビール」をいただくこともできます!

そして!このイベントから、湊湯さんの銭湯掃除へとつながります!
今回のレクチャーに参加されていた、新開地アートひろばから一番近い場所にある銭湯、湊湯さんのご主人に講師の松本さんから銭湯掃除がしたいとの電撃提案があり、銭湯掃除の開催が決定。

2023年10月15日(日)午前8時、新開地アートひろばに集合した参加者のみなさまと、松本さん率いる銭湯掃除を数多く行っている強力な助っ人のみなさまで、湊湯さんの銭湯掃除を行いました。

今回のために用意された、たくさんの洗剤たちは、ほとんど使い切ってしまいました!

銭湯営業前の2時間をお借りして、ブラシやたわしでゴシゴシガシガシ、手が届かなくて磨ききれない箇所を磨いていきます。

毎日、お湯を沸かしてくれる銭湯・温泉には、どうしても掃除の時間が足りないものです。
大人数だからこそできる人海戦術で、2時間という短い時間ながら、年季の入った汚れをどんどん落としていきます。

掃除が終わった後は、みんなできれいになった箇所を称えあい、常連さんの一番風呂を見送った後、さっぱりとお風呂をいただきました。

普段、掃除をする機会がない場所を、掃除させていただくのはとても貴重で楽しい体験となりました。
そして、また、銭湯掃除をぜひ行いたいと、強く強く思いました。

ご参加・ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました!
また近くの銭湯で、ぜひお会いしましょう!