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《~まちを素材にコトバと遊ぶ~ 》レポート

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  • 2017.12.16


2017.12.16
12月16日(土)に、「~まちを素材にコトバと遊ぶ~」を開催しました。
和歌や俳句の題材を求めて、名所・旧跡などに出かけることを吟行と言いますが、今回の短歌の素材を探して向かうのは、レトロな風情が残る新開地。一体、新開地のまちを散策してどんな作品が生まれるのか?そもそも、名所ではなく、まちを素材としてそもそも作品が作れるのか?
女性らしい作風で注目の集まる歌人・高田ほのかさんを講師にお迎えしてワークショプがスタート。

まずは、座学の時間。
高田先生より短歌の歴史や基本的な知識を学びました。
短歌の歴史は遡ること1300年前の奈良時代。俳句の歴史は江戸時代なので、短歌の方が、より歴史が古いそう。
よく短歌を数えるとき、一句と間違われる方が多いとのことで、短歌と俳句の違いも紹介いただきました。
詠み方や作り方の中で重要なのは、短歌は、作品を通して、他者が作者と同様の追体験ができるよう「私」を中心に詠見ますが、対して俳句は、表現の対象を「私」から切り離し、「季語」を中心にあるがままに描写するということ。
歌人や俳人の作品を題材に丁寧にその違いについて教えていただきました。

続いては、秀歌鑑賞。
高田先生がセレクトした様々な歌人の歌を詠み、そのどれが好きなのか、なぜ好きなのかを参加者一人ずつ発表をしました。
この時間はとても重要で、短歌をこれから作る時に、自分はどんな歌が好きなのか、どこに惹かれるのかを知っておくことが大切だそうです。

準備が整ったところで、新開地へ繰り出します。
今回は、新開地の広報PRを務める西島陽子さんにまち歩きガイドをお願いしました。
参加者は、新開地に来たことがある方も初めての方も。
新開地の歴史、また、今の新開地がどのように生まれたのかを詳しく紹介いただきながらまちを練り歩きました。

アーケードの中心にあるタイルの模様は、実は日比野克彦さんだったり、
ラウンドワンの外観の模様に隠れた文字だったり、街のあちこちに控えめに潜むアート要素を発見。
意図的なアート以外にもこれも?と思わせる天然ものまで、バラエティ豊かなまちの表情を見ることができました。

途中、老舗の名画座「パルシネマしんこうえん」、新開地の豚まんといえばここ!という「春陽軒」に立ち寄り、まちの歴史をさらに詳しく体感!
新開地で施設・店舗を営む皆さんを通してより深いまちの顔にも触れていただきました。

さて、まちあるきが終了し、いざ、短歌作りの時間です。
今日見たもの、感じたことを文字に書き出しながら、黙々と作業が進みます。

最後には、自分の作品をそれぞれ発表!
皆さん初めてとは思えないほどの力作が生み出されました。
出来上がった作品をご紹介します!
「路地裏の 春陽軒昔あじ 新しさ知る西の浅草」
「川のあと 波形とともに振り返る 思ひ出募る父の足跡」
「わかめ酢は中国 あわび韓国と 正直を売るメニュー看板」
「冬空の 歓楽街は夢のあと ブルーライトはうそつきみたい」
「新開地 喫茶エデンにてお茶して パルしんで名画エデンの東」
「ネオン川 流れ泳いだ新開地 今じゃ短歌を学ぶ我あり」
「みまかりし 母が育ちしこの町に 少女の姿 探して歩く」
「坂道を 目を輝かせ歩く人 まだまだ歩け朝日はのぼる」

高田ほのか先生の今日の作品はこちら。
「見上げれば 真白き屋根が連なって スカイゲートのなかは明るい」

歌に込められた感動や想い、一人一人の視点には、とても豊かな気づきがありました。
31文字に込められた深い言葉の世界。
短い時間でしたが、短歌が人を惹きつける理由をワークショップを通して感じることができました。
参加者の皆様、講師を努めてくださった高田ほのか先生、寒い中、ツアーガイドを努めてくださった西島陽子さん、パルシネマしんこうえんさん、春陽軒さん、ありがとうございました。
(広報担当)