2018.06.24
6.9(土)上映終了後に、二ノ宮隆太郎監督にお越しいただき、舞台挨拶を開催しました。
自身の実体験を元に、描かれた本作は、監督のみならず自ら出演もしており、そのただならぬ存在感を放っていた二宮監督。
舞台挨拶にお越しいただいた監督は、終始笑顔で観客の皆さんとの時間を楽しんでいらっしゃいました。
この映画を作るきっかけとなったのは、幼い頃、母親がわりにお世話をしてくれたと言う、2013年に亡くなってしまった友人のお母さんの存在でした。
亡くなる前に、二宮監督に「これで映画を作って」と制作資金をくださったそうで、映画を作るのならおばさんの映画を作るしかないと今回の作品「枝葉のこと」を制作することになったのだそうです。
会場からは、二宮監督の映画のセンスはもちろんですが、当日の監督の衣装にもツッコミが。
なかなか見つけられない柄のシャツは、「枝葉のこと」が北野武監督の初期作品に似ているという話を聞き、少し狙って身につけているそうです。
映画の中の無骨で無頓着なダークトーンも似合っていましたが、柄シャツも着こなす二宮監督。
映画の中の監督と実際の監督とのギャップも合間って驚かれている方も。
地元の神奈川を舞台に撮影した本作は、監督以外にも、実のお父さんが映画の中でお父さん役として登場されています。
本作は、映画なのかリアルなのかその境目は巧みなほどに現実とフィクションが織り交ぜられており、それがよりリアルな部分を映えさせます。
「やりたいことはあるけれどやっていない、自分はやっていないのに他の人には偉そうに言う。
自分は行動していないのに他の人には行動しろと言う。
人間誰しもあるであろうこの経験。
若い時は夢があったりするけれど、叶えられている人は本当に少なくって。
27歳だけれど、おじさんでもなく若くもないそんな年代の像を描いている。」
「セリフなどの伏線などといった映画的シーンを無くした。
現実を写したいが、映画は映画なのでその二つにある部分を両方生かして見たかった。」
主人公がフレームアウトした後も、誰もいなくなった空間を写し続けるカメラとその空間。
手を洗う、歩くといったどんな映画にもあるシーンが二宮監督の作品では、独特の存在感を放ち、鑑賞者の目にそのシーンを残していきます。
舞台挨拶では、監督の人柄に触れ、そして監督の思考を知る貴重な時間となりました。
二宮監督、ご来場の皆様、誠にありがとうございました。
(広報担当:O)