2020年1月25日(土)KAVCギャラリーにて「絵画材料のおはなし〜絵具をクッキングしよう〜」を開催しました!
みなさんは絵を描くときに欠かせない絵具が何でできているのか、どうやってできているのか考えたことはありますか?
今回のワークショップでは、美術家の加藤巧さんを迎え、実際に絵具づくりの工程を体験します!
加藤さんは美術家として「絵を描く」こと自体をテーマに活動されています。
絵画作品の制作を中心に、絵画材料の研究や、絵画材料になる原料のリサーチ等、様々な活動をされています。
絵具というと、画材屋さんに売っているチューブの物を想像しますよね。
でも、チューブの絵具がなかった昔は、石や土、虫(!)などを使って色を作っていました。
色になる原料を粉にして、のりになるものと混ぜ合わせて絵具にします。
のりになるものは、乾く性質の油を使えば油絵具に、アラビアゴムという木の樹脂を使えば水彩絵具に。チーズや牛乳といった、普段私たちが口にするものものりになります。
「今、チューブで売っているものはいろんなものが混ざって使いやすくなっているけど、自分でつくるとそのままの色が出やすい」と加藤さん。
今回のワークショップでは水彩絵具を作ります!
まずは色になる顔料を砕きます。今回は黄土色の土製顔料です。
その後、のり(水彩メディウム)となるアラビアゴムを溶かします。
小さいお子さんの参加も多かったので、安全面に気を付けて、火にかけて溶かします。
溶かしたアラビアゴムの中に、はちみつとグリセリンを入れて、よく混ぜます。
火をつかったり、はちみつを使ったり、まるで本当にクッキングしているみたいですよね!
先ほど粉にした土製顔料にのり(水彩メディウム)を混ぜて、よく練ります。
絵具の完成!
できた絵具はすぐお絵かきに使えます。
他にもラピスラズリという青い石を顔料、のりに卵黄と酢(エッグテンペラ)を使って絵具を作ったり、同じ青色とみつろうを使ってクレヨンも作りましたよ!
クレヨンはお土産になりました。
加藤さん持参の色々なクレヨンは子どもたちに大人気。
最後は、絵具を作る材料にもなる卵、小麦粉、チーズなどを使ったお菓子をみんなで食べながら雑談!
お菓子は、このワークショップのために、KAVCの近くにあるboulangerie anneさんに作っていただきました。
一見難しそうに聞こえる「絵具作り」ですが、クッキングをするように身近な材料で簡単に作れることにみなさん驚かれていたようです。
また、「今の仕事に応用できそうな体験だった」という声もありました。
これから自分で絵を描くときや、描かれた絵を鑑賞するとき、「この絵具はどんな材料が使われているのか」を想像しながらみてみると、また新しい視点で絵を描いたり、鑑賞することができそうですね。
ご参加いただいた皆さま、講師の加藤巧さん、ありがとうございました!
(美術アシスタント:中川)