• レポート
  • 美術

はじまりのみかたvol.8「キッチン版画倶楽部!魔法のようなリトグラフ」を開催しました!

  • Archives
  • 2021.10.16

2021年9月25日(土)、はじまりのみかたvol.8「キッチン版画倶楽部!魔法のようなリトグラフ」を開催しました。
美術家/石版画家の衣川泰典さんを講師に迎え、家庭にある身近な材料でリトグラフの原理を再現した「キッチンリトグラフ」の制作方法を学びます!

まずは講師の衣川さんから、リトグラフについての講義がありました。

リトグラフという名前を聞いたことがあっても、実際どういう制作工程なの?と思う人、たくさんおられるのではないでしょうか?
リトグラフとは、版画技法のひとつです。版画というと木版画や銅版画など、凹凸のある面にインクをのせて印刷する技法を思い浮かべることが多いですが、リトグラフは版面に化学反応を起こし、水と油の反発作用を利用して印刷する技法です。
衣川さんの講義では、リトグラフの仕組みや歴史、実際の制作で使用されている道具についてなど、リトグラフを知らない人にもわかる丁寧な説明がありました。

講義のあとは早速キッチンリトグラフにチャレンジ!
まずはアルミホイルを貼った下敷きに、チョコレートで絵を描きます。(描画)

レモン果汁を少しいれたコーラを、絵を描いたアルミホイル全体にかけます。(製版)

すると、描かれていないアルミホイルの部分に化学反応が起こります。コーラを全体に行き渡らせたら、水で洗浄します。

版面にスポンジで水を与え、油性インクをローラーでのせます。

インクをのせた後、版面に画用紙を重ね、バレンで擦って印刷します。(印刷)

なんとこれで完成!とても不思議な制作工程ですね。

ここで、衣川さんから講義で解説があった、リトグラフの制作方法を紹介します。

[制作方法(石灰石の場合)]
①石灰石を版に用い、油性の描画材料で描く。
②アラビアゴムを水で溶かし、版面に塗布することで、酸を版面に与える。
③炭酸カルシウムを主成分とする石灰石が酸性のアラビアゴムに接すると、下記のように化学変化が起こる。
 描かれた版面⇒脂肪酸カルシウム(油を引きつける)
 描かれていない版面⇒酸化カルシウム(水を引きつける)
④版面全体に水をあたえた後、油性インクをゴムローラーでのせると描画した部分にのみ油性インクが付着する。
⑤版面に紙をおき、プレス機の圧力で印刷する。

キッチンリトグラフの材料がどの役割をしているか、想像してみてくださいね。

今回ご参加いただいた方は、リトグラフに挑戦してみたい!という方が多く、とても意欲的に取り組んでいただけました。

当初、一人一枚作品ができれば良いだろうと想定していたにも関わらず、皆さんの制作スピードがとてもはやく驚きました。次々に作品ができていく様子は、見ているこちらも楽しい時間でした。

最後に作品の講評をしてワークショップは終了。
ワークショップを通して、一見難しく感じるリトグラフを身近に感じていただくことができたのではないでしょうか。キッチンリトグラフは家でできる材料ばかりなので、是非家でもどんどん挑戦していただければと思います!

また、今回制作いただいた作品は1F KAVCギャラリーで成果作品展として展示しました。

講師の衣川さんの作品や普段制作で使用されている道具、今回キッチンリトグラフで使用した道具も展示。リトグラフについて、広く知っていただく機会にもなりました。「リトグラフって聞いたことあるけど〜」という方が関心を持って鑑賞してくださっている様子がとても印象的でした。

ご参加いただいた皆様、講師の衣川さん、ありがとうございました!

(美術アシスタント・中川)