上映期間2020.10.10(土) – 2020.10.16(金)
料金【一般】1200円、三回券3000円、【かぶっクラブ・神戸演劇鑑賞会】1000円、三回券2700円(三回券:当日のみ有効)
女優・杉村春子」を7本の映画から読み解く特集上映
日本の演劇界、映画界を長年に渡り牽引して来た日本を代表する大女優、杉村春子。
今回、杉村春子の映画女優としての人生に焦点をあて、出演作を特集上映します。
女優としての魅力はもちろん、演劇界・映画界に与えた影響や役割を感じ取っていただけるラインナップです。
●『大曾根家の朝』
木下惠介監督の戦後第1作となる作品。木下にとって、初めてのキネマ旬報ベストワン作品。
【概要】
脚本:久板栄二郎
演出:木下惠介
撮影:楠田浩之
出演:長尾敏之助、三浦光子、大坂志郎、小沢栄太郎
(1946年/81分/松竹)
【あらすじ】
昭和十八年、大曾根家では、悠子の婚約者の出征を祝っていた。その夜、長男一郎は思想犯として検挙され、叔父大曾根一誠は悠子の婚約を破棄する。叔父夫婦は大曾根家に移り、わがもの顔に一家の上に君臨しはじめる。
●『にごりえ(十三夜・大つごもり)』
文学座、新世紀映画社の共同製作による樋口一葉の小説のオムニバス映画
提供 独立プロ名画保存会
【概要】
企画:文学座
原作:樋口一葉
監督:今井正
出演:三津田健、丹阿弥谷津子、芥川比呂志、長岡輝子、仲谷昇、久我美子、北村和夫、十朱久雄、南美江、淡島千景、山村聡、宮口精二
(1953年/130分/独立プロ名画保存会)
【あらすじ】
〔第三話 にごりえ〕小料理屋の酌婦お力の色香に迷い落ちぶれた源七は、お力を忘れかね、店の前に佇むが、お力は会おうとしない。だが心の隅では源七を思いきれずにいた。内職をして一家を支える源七の妻お初は、お力に嫉妬して罵り、源七に離縁されてしまう。
●『千羽鶴』
川端の戦後の代表作の一つ、芸術院賞を受賞した作品を新藤兼人が脚色、吉村公三郎が監督。撮影は宮川一夫。
©KADOKAWA 1953
【概要】
原作:川端康成
脚本:新藤兼人
監督:吉村公三郎
撮影:宮川一夫
出演:木暮実千代、乙羽信子、森雅之
(1953年/117分/KADOKAWA)
【あらすじ】
三谷菊治は、亡き父浩造の愛人ちか子の茶会で見合いをする。その席でこれも父の愛人 太田夫人とその娘に会った。童女のような心情の持主太田夫人は、忘れ得ぬ浩造の面かげを菊治に見出して、彼に心を傾けてしまう。ついに菊治を軽井沢の別荘に招き、その胸へ身をなげた。
●『晩菊』
林芙美子の原作を成瀬巳喜男が監督となり映画化。撮影は玉井正夫。
© TOHO CO., LTD.
【概要】
原作:林芙美子
監督:成瀬巳喜男
撮影:玉井正夫
出演:上原謙、望月優子、有馬稲子、沢村貞子
(1954年/101分/東宝)
【あらすじ】
芸者上りの倉橋きんは口の不自由な女中静子と二人暮し。今は色恋より金が第一で、金を貸したり土地の売買をし、昔の芸者仲間にもやかましく利子をとりたてていた。しかし以前燃えるような恋をした田部から会いたいとの手紙を受けると、彼女は美しく化粧をして男を待つのだった。
●『流れる』
幸田文の小説を成瀬巳喜男が監督。傾きかけた置屋を舞台に、変わりゆく花柳界に生きる女性の姿を日本を代表する女優たちが競演。
【概要】
原作:幸田文
監督:成瀬巳喜男
撮影:玉井正夫
出演:田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子、岡田茉莉子、栗島すみ子
(1956年/117分/東宝)
【あらすじ】
職業安定所の紹介で芸者置屋つた家にやってきた女中・梨花。女将との面談も済み、住み込みで働くことになった彼女は、やがて、芸妓たちのおかしくも哀しい人間模様、そして時代の中で傾いていく置屋の事情を知ることに。
●『満員電車』
大学卒業の青年を通して社会の真実の姿を描く異色作。脚本和田夏十と市川崑の協同執筆。
©KADOKAWA 1957
【概要】
脚本:和田夏十 、市川崑
監督:市川崑
撮影:村井博
出演:川口浩、笠智衆、川崎敬三、船越英二
(1957年/99分/KADOKAWA)
【あらすじ】
茂呂井民雄は大学を卒業し会社に就職。社員講習が済むと尼ヶ崎へ赴任した。そこで彼は同僚からサラリーマンの原則をきかされる。ある日、故郷の父から母が発狂したと知らせを受け、大学に母の発狂を研究する学生を依頼する。
●『午後の遺言状』
別荘に避暑に来た大女優が出会う出来事を通して、生きる意味を問う。監督・脚色は新藤兼人。1995年度キネマ旬報ベストテン第1位。
©近代映画協会
【概要】
原作:新藤兼人
監督:新藤兼人
撮影:三宅義行
出演:乙羽信子、朝霧鏡子、観世栄夫、津川雅彦、倍賞美津子
(1995年/112分/近代映画協会)
【あらすじ】
女優・森本蓉子が避暑にやって来た。彼女を迎えるのは長年別荘を管理している農婦の豊子。言葉は乱暴だが仕事をこなす豊子の娘を子供のいない未亡人の蓉子は、自分の娘のように可愛がっていた。翌日、友人夫妻が訪ねて来る。夫人は認知症にかかり、夫は元に戻したい一心で蓉子に会わせた。