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ダンスアーカイヴプロジェクト作品4都市巡回公演

2017年11月18日(土)

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ダンスアーカイヴプロジェクトは、日本の現代舞踊のアーカイヴ資料を収集整理するだけでなく、それを解釈し次代に伝え、更なる創作の土台を構築する機能も含めたダンスアーカイヴの可能性を探求するプロジェクトです。アーカイヴ資料を駆使してダンス作品や展示を行うことで、その今日的価値を浮き彫りにします。本公演は、ダンスアーカイヴの普及と周知を目的に、これまでに発表した作品から、大野慶人「花と鳥」、川口隆夫「大野一雄について」、岡登志子「手術室より」の3作品をひとつのパッケージにして、4都市を巡回するうちの神戸公演となります。

開催概要

日時:2017年11月18日(土)
会場:神戸アートビレッジセンター
Aプログラム:川口隆夫「大野一雄について」 14:30~16:30(開場14:00)
Bプログラム:岡登志子「手術室より」・大野慶人「花と鳥」 17:30~19:00(開場17:15)
チケット: 全席自由・税込
一般 各公演3,000円 AプロBプロ通し券5,500円
学生 各公演2,500円 AプロBプロ通し券4,500円

主催 NPO法人ダンスアーカイヴ構想 
共催 公益財団法人神戸市民文化振興財団、有限会社かんた
協力 大野一雄舞踏研究所、アンサンブル・ゾネ
助成 芸術文化振興基金

【Aプログラム】

川口隆夫「大野一雄について」
大野一雄の踊る姿を実際には見たことがないという川口隆夫が、大野一雄の「ラ・アルヘンチーナ頌」「わたしのお母さん」「死海」映像記録から、厳密に模倣する。「魂の舞踏家」の形を「模倣」というも最も正統な方法によって再現する。2013年国内初演、2015年国内再演以降、韓国、ドイツ、クロアチア、ベルギー、スペイン、ポルトガル、インドネシア、北米7都市ツアー、フランス、オーストラリア、メキシコツアー、オーストリア、ポーランド、ブラジル、と世界中で再演を繰り返してきた。2017年メッシー賞最終候補に残る話題作。
コンセプト・演出・出演:川口隆夫
振付:土方巽 大野一雄
ドラマトゥルグ・音響・映像:飯名尚人

【Bプログラム】

1. 岡登志子「手術室より」
「手術室」は、1933年マリー・ヴィクマン舞踊学校で学んでいた江口隆哉と宮操子がドイツ滞在中に創作初演し、翌34年の帰国公演で上演され、当時27歳の大野一雄を感動させた。しかし、この作品について残されているのは一枚の写真、江口自身のコメントと短いレビューのみです。リコンストラクションはおそらく不能な作品を、江口・宮がマリー・ヴィクマンから学んだ本質が何だったかを探り、日本人による最初期のモダーンダンス「手術室」を演繹的に再構成します。
演出・振付:岡登志子 出演:岡登志子、垣尾優
音楽 (ライブ演奏):大野慶人 美術:吉川陽一郎

2. 大野慶人「花と鳥」
1985年大野一雄「死海」初演のために、土方巽が大野慶人のために振り付けた作品を上演し、また大野一雄の「ラ・アルヘンチーナ頌」冒頭のシーンを、当時の衣装と音楽によって再現する。また、間に1960年細江英公監督、脚本による映画『へそと原爆』を上映する。さらに、大野慶人自身の振付作品を上演することで、舞踏の歴史を、その原点から今日を生き抜いた当事者が直接語りかける作品である。
振付・演出・出演:大野慶人

プロフィール

川口隆夫
90年代にダンスカンパニー「ATA DANCE」、ダムタイプを経て、2003年からはソロを中心に。演劇、舞踊、美術をまたぐパフォーマンスを展開。藤本隆行(ダムタイプ)+白井剛(AbsT)の「true/ 本当のこと」、「Node/砂漠の老人」などコラボレーションも多数。主な作品に「自分について語る」パフォーマンスシリーズ「a perfect life」(2008)、「TABLEMIND」(2011)など。2012年には田辺知美とともに「病める舞姫をテクストに」を発表。

岡登志子
神戸生まれ。ドイツNRW州立Folkwang 芸術大学舞踊科卒業。アンサンブル・ゾネ主宰。現代を生きる人間に共通する身体を通し、人間の実存を問う作品づくりを行い、年1回のペースで新作を発表。近作に「白い夜」「迷い」「飛ぶ教室は 今」など。即興公演では、音楽家や美術家、スポーツ選手との共演も多数ある。2014年神戸長田文化賞受賞。

垣尾 優
2004年から現在まで、岡登志子主宰アンサンブル・ゾネ作品にゲスト出演。2006から2009年、contact Gonzoとして活動。2014年、ノーラ・チッポムラ「父のような自画像」、松本雄吉×ジュン・グエン・ハツシバ×垣尾優「Sea water」等に出演。

大野慶人
1938年東京生まれ。1959年土方巽の「禁色」で少年役を演ずる。60年代の暗黒舞踏派公演に参画。69年初リサイタル後に舞台活動を中断、85年「死海」の大野一雄との共演でカムバックした。86年以降大野一雄の全作品を演出。近作にヴッパタール舞踊団ダンサーとの共演「たしかな朝」(2010)、音楽家アントニーとの「Antony & Ohnos」(2010)、ソロ作品「花と鳥」(2013)等。

<NPO法人 ダンスアーカイヴ構想について>
大野一雄舞踏研究所は1990年代より、大野一雄のアーカイヴ資料整理に着手した。2003年にイタリア・ボローニャ大学に大野一雄アーカイヴを開設したのを始め、大野一雄フェスティバルを例年横浜で開催し、大野一雄の資料展示、アーカイヴ資料に基づく作品創作、書籍出版などを行ってきた。これらの活動を引き継ぎ、大野一雄の個人資料に留まらず、より広く、日本の現代舞踊のアーカイヴを構築し、発展させる目的で、NPO法人を発足した。英文名をDance Archive Network 略称 DANとする。