第5回OMS戯曲賞佳作受賞作 20年ぶりの再演
匣の階による神戸の港と山を舞台にことなる2作品をゆるやかに繋ぐ企画の第2弾。
1998年OMS戯曲賞佳作を受賞し、震災文庫にも保存されている『パノラマビールの夜』の再演を神戸出身の劇作家・久野那美の主導によりおこないます。
あらすじ
遠く離れた二つの町がありました。
うっかりすれば遠くにあることさえ忘れてしまうほど、二つの町は遠いのでした。
あんまりに遠いものですから、道は途中で足りなくなって途絶えていました。
互いの町を行き来する手段は何もありませんでした。
いつの頃からだったでしょうか。
互いの町がちゃんと遠くにあることを忘れないでいるために、
二つの町は夜になると小さく灯かりを点すようになりました。
夜になるとどちらの町も新しい灯かりを点し、遠くの灯かりを眺めるのでした。
どちらの町も、何があっても灯かりを絶やさないように注意していました。
灯かりを点しておくと、「寂しく」なくなるような気がしたのですが、
それが自分の町のためになのか、遠くの町のためになのか、よく分かりませんでした。
長い時間が過ぎました…
開催概要
匣の階「パノラマビールの夜」
日時:2018年
1月25日(木)~1月27日(土)17:00/20:00
1月28日(日)14:00/17:00
脚本・演出:久野那美
出演:大西智子(あなざーわーくす)、七井悠(劇団飛び道具)、チェサン、中村彩乃(安住の地/劇団飛び道具)、練間沙(劇団冷凍うさぎ)、藤谷以優
舞台監督:中西隆雄
照明:葛西健一
音響:合田加代(結音)
演出助手:プリン松、吉村篤生(劇の虫)
舞台監督助手:小林佳太郎
舞台美術:竹腰かなこ
制作:若旦那家康
匣の階とは
関西在住の劇作家・久野那美を代表とする演劇ユニット。詩的で美しいセリフとイメージの広がる寓話的な物語が、各方面から高い評価を得ています。
1997 年の【箱の階】名での公演を筆頭に、以降【船の階】【山羊の階】【道の階】【空の階】【缶の階】【点の階】の名義で公演を続けており、いずれも世代を超えて高い評価を得ています。(下は10代から60代までという、小劇場ではめずらしい幅広い客層に支持されています)
※団体名は正式には「階」ですが、公演毎の上演ユニットとして毎回「~の」階という冠をつけて一般告知しています。
公式サイト:http://floor.d.dooo.jp/hako/
〈共催〉