森田雄三の創作を解体する4編のシンポジウム、題して「演出家 森田雄三 解体シンポ」
演出家 森田雄三は、1996年以来、全国各地で「演劇ワークショップ」や「身体文学」という名の、他に類を見ない創作活動を展開してきました。仕事や家事に多忙で、どちらかと言えば演劇や文学とは無縁の日々を過ごす巷の人たちを対象にした森田の活動は、社会の荒波に揉まれ生きる過程で無自覚に、また、止むを得ず身に着けた思考や佇まいや言動(森田いわく“本人がコンプレックスと捉えている特徴”)を、その人独自の魅力と捉えなおし、“ありふれた日常の一コマ”から“ユーモアとペーソスに満ちた珠玉の人間ドラマ”を生み出す行為でした。
「生き辛さを抱える人こそ素晴らしい創作ができる」という哲学の下、生活の中でさまざまな難題や課題を抱える人たちに、創作を通して“生きる意味”を伝え、“勇気”を与え続けた森田の創作活動には、いつからか、演劇や文学の愛好者よりも仕事や家事に追われ自分を見失いかけた人たちや心身に障害を持つ人たちも多く参加するようになりました。
今回のシンポジウムでは、演劇や文学の枠に収まらない「森田雄三の創作」についてゆかりの深い神戸でたっぷりと時間をかけ、さまざまな角度から語り合い、解き明かし、今後の展望を探ります。
これまでの活動を支えた方、参加した方、鑑賞した方はもちろん、遠巻きにしていた方や森田雄三を全く知らないという方も、この機会に、ぜひ一緒に「森田雄三の創作」を解体してみませんか。
開催概要
演出家・森田雄三 解体シンポ
ナビゲーター
森田清子(森田オフィス代表/演劇プロデューサー)
妙島誠至(創作集団アヴァンギャルズ)
石田香織(作家/創作集団アヴァンギャルズ)
ゲスト
溝田幸弘(神戸新聞社)
三津山朋彦(神戸新聞社)他
〈スケジュール〉
日時:2018年4月28日(土)11:00〜19:30
11:00~12:00 Aプログラム 記録映像から紐解く
ナビゲーター:森田清子(森田オフィス代表/演劇プロデューサー)
13:30~14:30 Bプログラム 演劇ワークショップについて
ナビゲーター:妙島誠至(創作集団アヴァンギャルズ)
16:00~17:00 Cプログラム 身体文学について
ナビゲーター:石田香織(作家/創作集団アヴァンギャルズ)
18:30~19:30Dプログラム 雄三創作のこれから
ゲスト:溝田幸弘(神戸新聞社)、三津山朋彦(神戸新聞社)、他
料金:各プログラム1500円(1ドリンク付き)、4プログラム通し券5000円(2ドリンク付き)
※受付・開場は各回30分前
※Dプロ終了後、KAVC1階にてクロージングパーティ開催します。(参加料別途1000円)
主催:せめてしゅういち イッセー尾形・ら株式会社
共催:神戸アートビレッジセンター<指定管理者 公益財団法人神戸市民文化振興財団>
協力:はっちゃんの台所
プロフィール
森田雄三
1946年生まれ。70年「自由劇場」で戯曲「ボクシング悲歌」を演出。自由劇場公演のラインナップに加わる。80年イッセー尾形の一人芝居を初公演。88年セゾン劇場で山崎努主演「マクベス」の演出。90年「イッセー尾形プラスワンシアター」を設立し、桃井かおり、小松政夫それぞれの二人芝居を演出。同年「イッセー尾形 都市生活カタログ」の全ての地方公演演出開始。以降、毎年約120ステージを実施。93年海外公演演出開始。94年アメリカ、ヨーロッパと定期的に海外公演実施。96年神戸にて素人集団「アバンギャルズ」を設立。03年ドイツ人歌手メレット・ベッカー&アルス・ヴィタリス、イッセー尾形公演を演出。05年財団法人地域創造の公共ホールネットワーク事業として「イッセー尾形のつくり方」と題し開催地の方と4日間で芝居を作り上げるワークショップを全国8か所で実施。06年兵庫県下の中学教師とワークショップで芝居を創る。14年から16年の3年間に渡って神戸でカフェワークショップというスタイルを確立しながら継続的な創作活動を展開。ワークショップの参加人数は全国で3000人を超える。著書に「間の取れる人 間抜けな人 人づき合いが楽になる」(祥伝社新書)、「人生は、なんとかなるものである」(PHP研究所)。
イッセー尾形の字の部分 演出家森田雄三 語録ブログ
http://yuzo-goroku.jugem.jp/
神戸アヴァンギャルズ
1996年4月、神戸アートビレッジセンターのオープニング事業として森田が初めて手掛けた記念すべき演劇ワークショップから誕生した演劇創作チーム。
90年代後半から格差や貧困、また性や家族のあり様といった最先端でデリケートな社会問題をテーマに挑戦的な作品を次々と創作発表していった。活動当初は20代前半だったメンバーは、その後、社会経験を積み家庭を持ち状況が変化する中でも、ゆるやかな集団を維持し、「公演に出られる人が演る」という特異で柔軟なスタイルで活動を継続している。現在ではメンバーの子どもたちが子役として創作に加わることもある。常に時代の現在進行形と並走しながら、社会の底辺でもがく人々の姿をチャーミングに演じ続ける集団であり、森田が絶大な信頼を置く「創作パートナー」でもある。
センセーズ
兵庫県の中学国語研究会で森田がワークショップを実施したことが縁で、2006年に誕生した現役の中学教師中心の演劇チーム。学校を通して浮かび上がる社会問題をテーマに、独自のリアリズムにユーモアを交えて描き出す。
メンバーは元々国語研究会の運営スタッフとして集まった人たちで、芝居をする気は全くなかった。
そのせいか、定期的に公演を行うようになっても、多忙を理由に、わずか4日の稽古も欠席者が続出!しかし、教壇慣れしているせいか、観客を前にした本番にはメンバー全員がめっぽう強く、森田と共に数々の名作を連発する。
動画はYouTubeで鑑賞出来ます!
https://www.youtube.com/channel/UC0d6VkDP0ioPkPGPPwH8c2Q