ART LEAP 2021 一次審査通過者決定!
一次審査を通過した8組の作家によるプレゼンテーションを、ライブ配信にて一般公開します
神戸アートビレッジセンター(KAVC)美術事業の公募プログラム「ART LEAP」。
30代から40代の芸術家を対象とした本公募は、自身の表現手法を確立した作家にとって表現の幅を広げることのできるステップアップの機会となることを期待して2018年にスタートしました。
4回目となる2021年度は、審査員にキュレーターの遠藤水城氏を迎えて現在選考を行なっています。
展覧会プランとポートフォリオ、今年新たに追加した審査項目「審査員からの設問への回答」をもとに書類選考を行った結果、8名の作家が一次審査を通過しました。
最終選考会となる公開プレゼンテーションでは、作家自らが展覧会の構想や自身の作品について広く一般に向けてプレゼンテーションを行います。その後、遠藤氏による最終選考を経て選出された1名は、2022年2月〜3月に当センターにて個展を開催します。8名の精鋭たちによる熱いプレゼンテーションにぜひご注目ください。
開催概要
配信日時:2021年7月25日(日)13:00〜(17:00終了予定)
※プレゼンテーションの順番は、当日配信開始後にお知らせします。
※プレゼンテーション内容の録音や画面録画はご遠慮ください。
※アーカイブ視聴はできません。予めご了承ください。
※オンラインのみでの開催です(会場でのご参加はできません)
審査員プロフィール
遠藤水城(エンドウ ミズキ)|キュレーター/東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)代表
1975年札幌生まれ。2004年、九州大学比較社会文化研究学府博士後期課程満期退学。現代美術を専門とするキュレーターとして、これまで国内外で数多くの展覧会や芸術祭の企画を手がける。アーカス・プロジェクトのディレクター(2007-2010年)を経て、2011年より「東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)」代表。2017-2020年まではベトナム・ハノイ市に新設された「ビンコム現代芸術センター」芸術監督。主著に「陸の果て、自己への配慮」(PUB、2013年)。国際美術評論家連盟会員。
審査員コメント
この賞は30~40代を対象としています。
本来であれば「中堅」として確固とした制作ならびに発表のスタイルが確立されるべき時期にあたるでしょう。しかし現在、そういった安定を想定することが難しいのではないでしょうか。何かが「確立」されるべき土台が揺らいではいないでしょうか。むしろこの年代は、来るべき未知のアートに対して自身を変化させる時期、あるいは変化そのものを体現する時期にあたるのではないでしょうか。つまり、何らかの「ターニングポイント」を打つ、ことが求められているのではないかと思うのです。
今回、審査員として新たに設問を作成させてもらいました。意欲的なアーティストからの素晴らしいプランを待っています。
〈一次審査通過者プロフィール〉※敬称略/エントリー順
横谷奈歩(ヨコヤ ナホ)
東京芸術大学大学院美術研究科博士課程油画専攻修了。在学中から国内外へ足を運び、調査と取材および滞在制作を重ねながら、土地に隠された歴史や物語をテーマとした作品を制作。進行中のプロジェクトに「高橋家にまつわる物語」「星劇団再演プロジェクト」、写真シリーズ「剝離された場所」等。ほか、異分野の専門家との共同プロジェクトに「アートとサイエンスのあいだ」「芸術と考古学」「驚異の小屋」等がある。
http://nahoyokoya.com
宙宙(チュウチュウ)
愛知県渥美半島生まれ。京都市拠点。2003年サザンプトン大学美術学部彫刻科卒業、2001年アイスランド芸術大学交換留学。様々な仕事を経験した後、2017年にアーティスト活動をスタート。主な展示に、2021年豊中市特別企画展「残像のスケッチ」など。作品はそこに居合わせた人やモノ、自然の事象など、周辺環境の影響を受けながら生まれる。「宙宙」は、個人の枠を超えた、その繋がりも含めた名称である。
https://www.chuchuworks.com/
堀川すなお(ホリカワ スナオ)
2012年京都市立芸術大学美術研究科絵画専攻油画領域修了。2015年 ポーラ美術振興財団在外研修員としてニューヨーク滞在。東大阪市文化創造館パブリックアート制作(2019)。個展「Window Display Work」ポーラ ザ ビューティー銀座、東京(2019)、「ポーラミュージアムアネックス展」ポーラミュージアムアネックス、東京(2019)、「未完の庭、満ちる動き」青森公立大学国際芸術センター青森、青森(2018)、個展「クリテリオム87」水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室、茨城(2014)
https://sunaohorikawa.com
澤崎賢一(サワザキ ケンイチ)
アーティスト/映像作家。一般社団法人リビング・モンタージュ代表理事。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程修了。博士(美術)。主にヨーロッパ・アジア・アフリカで、研究者や専⾨家たちのフィールド調査に同⾏し、多様な暮らしのあり⽅を記録した映像作品を制作している。また、映像メディアを活かした学際的活用の基盤となるプラットフォーム「暮らしのモンタージュ」を企画・運営する。
https://livingmontage.com/
小笠原周(オガサワラ シュウ)
1985年兵庫県生まれ。幼少の頃よりバイブルとしていた少年マンガに影響を受ける。
彫刻家。共同アトリエ山中suplex代表。
主な個展に 2019年「小笠原周凱旋EXHIBITION 尼崎の伝説の彫刻」(尼崎城址公園、尼崎観光案内所/兵庫)
グループ展に、2020年「類比の鑑/The Analogical Mirrors」(山中suplex/滋賀)がある。
https://ogasawarashu.com/
石塚まこ(イシヅカ マコ)
インスタレーション、アクト、社会プロジェクト、随筆など多様な表現形式をとりながら、さまざまな社会で他者として暮らした経験を活かして、世界の動きと日常の交叉点における物理・心理的隔たりへの介入を試みる。近年の活動に、リガ国際文学フェスティバル(ラトヴィア)、「グローバリゼーションの中の不和」(フランス国立社会科学高等研究院)、「デイジーチェーン」(TOKAS本郷)、「MOTサテライト むすぶ風景」(東京都現代美術館)、「Art Meets 03」(アーツ前橋)など。
www.makois.com
船川翔司(フナカワ ショウジ)
1987年鹿児島生まれ。大阪在住。
『無人島での滞在の記録』や『亡き飼い犬と自身の出自を巡って』など、特定の環境、状況から展開する独自の観点と解釈を現象化する実践を試みる中で様々な手法による作品や記録物から、その事象をめぐって起こる出来事の中から『このものさ』を体現するための製作をおこなっている。
鬣恒太郎(タテガミ コウタロウ)
鬣 恒太郎は絵画を中心に制作活動を行う。近年は、現代社会の中に発露する宗教性に着目し、画家が何を担える/担えない/担ってはいけないのかについて考察している。
主な展覧会に個展「Ba/ば」(VOU/棒、京都 、2021年)、グループ展に「VOCA」(上野の森美術館、2019年)、 2018年より彦坂敏昭、前谷開と共に“KISOJI“としても活動し、島崎藤村『夜明け前』をガイドブックにリサーチ、展示を行う。